果物は嗜好品。
売れる数に波があるから
難しくて、面白い。
以前は自転車で通っていましたが、最近はマイカー出勤が多いです。かかる時間は片道15分。市場に勤めて8年目になりますが、いまだに朝は苦手なほうなので正直助かっています。
青果棟に下り、産地から届いた荷物の数の確認をしたらいよいよ販売開始です。直接お話合いができる場内の仲卸さんが平均5-6社、電話も含めれば10社以上のお客様と、販売させていただく数量や価格の打ち合わせを行います。
「仕切り」と呼ばれる朝の販売がひと通り落ち着いたら、生産者さん側との情報交換に移ります。果実担当なので季節によってイチゴ、柿、ミカンなど商品はさまざまですが、各県の農協さんが同じ棟内に事務所を構えているのでいつでも訪問し今後の入荷量の見込みやほかの産地の動向などいろいろとお話をさせていただきます。
じつは水産品も扱っている大田市場には、知る人ぞ知るまぐろやうなぎの名店があります。お客様との商談に使ったり、ときには昼から2-3時間お酒も含めた長丁場の接待になることも(笑)。場内の飲食店は舌の肥えた百貨店バイヤーの皆さんにも好評です。
午後はPCを使って翌日のための分荷作業。農協を通じて産地から届くさまざまな果物を、百貨店や高級スーパーなど50社以上の得意先から注文を取って振り分けていきます。嗜好品である果物はどうしても売れる数に波がありますが、日頃から顧客とのコミュニケーションを深めることでニーズを増やし、売り切ることが可能です。
平均2-3時間の残業がありますが、それでも帰宅は6時前。毎日家族そろって夕飯を食べられますし、子どもとゆっくりお風呂に入る余裕もあります。ちなみに定休は日曜と水曜。まだ子どもが小さいので、観光地が空いている平日に家族と出かけられるもいいですね。会社のシステムには家からでもアクセスできますし、出社しない日も翌日の入荷チェックは万全です!
ほかの業界の営業職でも同じかと思いますが、市場の仕事においても大切な商談や顧客同行の出張があり、基本的な身だしなみや礼儀、言葉遣いのマナーなどを守ることなどは大切だと思います。ただ、自分がこれからいっしょに働きたいと思う学生さんのイメージは、とにかく「友達の多い人」「先輩に可愛がられる人」。これに尽きると思っています。得意先や生産者には高齢な方も含めさまざまな個性の方がいらっしゃいますから、誰とでも楽しくコミュニケーションして信頼関係を築ける人には、ぜひ当社に来て欲しい。正直、冬の朝などは起きるのがなかなかキツイですが、高く売ることで産地から「ありがとう」と言われたり、売場に立ってエンドユーザーの反応を見たり。生産者と消費者、どちらの視点からも青果にアプローチできる面白い仕事だと思っています。